【NEWS】・2019.07.27 / toyama no hito / Release !!

vol.1- 美容師 yuta katou

ー vol.1 ー

富山市中川原にあるヘアサロン「 Kanon hair – カノンヘアー」。店舗にはネイルサロン「Any…nail」も併設されており、OPENから1年半を迎えた今も、美に関心の高い富山の女性から多くの支持を集め続けている。

富山の美容界の第一線に立ち続け、人気サロンのオーナーとして活躍する加藤優太(katou yuta)さん。今回私たちは、発展し続ける富山の美容業界と、そんな彼のルーツに迫っていく。

kitokito編集部(以下"K")「こんにちは。今日はよろしくお願いいたします」

加藤 優太さん(以下"加")「よろしくお願いします」

K「すごく物腰が柔らかい方なんですね。とても柔和な印象です」

加「いや、しっかりしてないだけですよ」

K「いえいえ、そんなことないです。それに、今日は仕事終わりの貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございます。心なしか眠たそうに見えるんですが大丈夫ですか?」

加「よく言われます。でも眠たいんじゃなくて、しっかりしてないだけです(笑)」

K「しっかりしてください!(笑)」

加「頑張ります!」

K「美容師って、華やかな印象のかたわら、ものすごく過酷だというお話を聞いたりするんですが、実際どんなお仕事なんですか?」

加「うーん、一言で言うのは難しいけど、過酷というのはそうですね。練習時間なんかも含めると1日の大半をお店で立って過ごすし、休日も少ない。収入面で苦しい生活をおくっている人も少なからずいます。でもそれ以上に、この仕事には夢があるし、自分の好きなことに触れながら人に喜んでもらえるっていうのは、他には変えられない素晴らしさがある。そんなお仕事です」

K「深いですね。美容の道へ進むきっかけって何があったんですか?」

加「小学生の頃初めて行った美容院で、その美容院のオーナーさんに『美容師になりなよ!』って言われたんです。それが始まりかな」

K「唐突ですね。しかも小学生の頃とは!」

加「はい。『お金持ちになれるし、モテるし、おまけに勉強もしなくていい』って言われて、初めての美容院だったので当時すごい憧れたのを覚えています。絶対美容師になろう!って」

K「そんな昔から美容師への夢を描いていらしたんですね」

加「そうですね。それから髪の毛をいじるのも好きになりましたし、カラーとかパーマとか、学生時代は色々やりましたね」

K「不良だったということで大丈夫でしょうか」

加「やめてください(笑)違いますよ」

K「でも、小学生の頃からの夢に向かってそのまま突き進んだってすごいですよね」

加「いや、それも違うんです。実は高校に入ったときにダンスに出会って、学生時代はずっとダンスにのめり込んでました。それこそ四六時中、朝から晩まで。」

K「ダンスですか!」

加「うん。そのときはダンスでご飯を食べてこうって思ってましたね。それくらい熱中してて、卒業後もずっと続けていこうって。けどいざ本当に進路の話になったときに、反対されたんです」

K「反対というのは、ご両親に?」

加「はい。これまで何でも好きなことをやらせてくれていた両親が、その話をしたときに初めて反対したんです。『そんなので食べていけるのか。お前の夢は美容師になることじゃなかったのか』って。かなり熱く語ったんですけど、強く反対されました」

K「美容師の夢を持ち続けていた加藤さんの姿を、ご両親はちゃんと見ていたんですね」

加「今思えばそう思います。ただ当時はすごく悩みましたね。チームも組んで本格的にやってたので、当時はダンスが自分の中心だったんです。だけど確かにずっと心にあった"美容師"という夢を捨て切ることもできませんでした」

K「悩みに悩んで、ついに美容師への道へと進んだわけですね!」

加「はい。そんなかっこいいエピソードなんかじゃないですけどね。美容に触れていくうちに、またどんどん美容師への思いが強くなっていったんです」

加「就職したての頃は本当に大変でした。毎日長時間拘束されて、ヘトヘトになって…。少なくとも『お金持ちになれるし、モテるし、勉強もしなくていい』なんて、そんな夢見たいなことはまったくなかったです(笑)」

K「厳しい現実が待っていたんですね…。さっきの話もそうでしたが、本当に大変な業界なんですね」

加「思い描いていたものとのギャップはかなり大きいと思います。僕の場合は手荒れがひどくて、それも大変でしたね。痛いし痒いし、薬を塗りながらなんとか毎日仕事してました」

K「確かに、美容師さんは手が荒れるイメージあります。それこそ職業特有のものですよね。志半ばでやめていく人も多いとか」

加「そうですね。アシスタント時代に色んな理由で大半の方がやめていきます。でも厳しい時期を耐え抜いて、一人前と認められてからは変わりましたね」

K「私なんて、美容学校を卒業したらみんな髪の毛切れるものなんだと思ってました。辛い下積みを乗り越えて、初めてお客さんの前でハサミを持つことができるわけですね!」

加「はい。それからは更なる勉強の日々です。責任感と楽しさに揉まれながら、毎日色んなことを感じて、少しづつ前進。やっぱりお客様が喜んでくださった瞬間は何ものにも変えがたいんですよ。アシスタント時代でもスタイリストになってからでも、そういう喜びを知るところまでいった人は、美容師をやめないんじゃないかな」

K「人に喜んでもらうのは嬉しいですよね!お仕事でそれができるっていうのは、やっぱりすごいです」

加「僕もそう思います。そうやって美容という仕事を通して、たくさんお客様から学ばせていただきました」

K「それから独立されるまでは、どんな経緯だったんですか?」

加「しばらくは学ぶことに集中してましたね。独立という夢は誰しもが持っていると思うけど、僕はずっと学ぶ楽しさに没頭してて、気づけば10年くらい。そうやって色んなことがわかってきた時に、"自分の好きなことをやってみたい"って心から思ったんですよね。それが独立に踏み切ったタイミングかな」


K「美容師をやっていく上で、加藤さんの"ここだけは譲れない"ということを教えてください。ポリシーというか」

加「お客様が第一。当たり前かもしれないけど、これは絶対にブレたくないところですよね」

K「流石ですね。でも当たり前のことを当たり前にやるのが案外一番難しかったりするんですよね」

加「その通りです。でもそれが自然にできるのがプロ。あんまり型にはまらない僕が唯一大切にしていることです」

K「今日び、コンビニより多いと言われる美容室ですが、加藤さん自身で他のお店と差別化しているところって何かあるんですか?」

加「いやあ、僕自身にはそういうのがないんですよね。何かに特化している美容院って、特化させてくれてるオーナーがいて、お店があって、初めて何かに特化することができると思うんです。なので、僕自身が何かに特化するんじゃなくて、スタッフの得意なこととかそれぞれの持ち味を伸ばしてあげられたらいいなと思います」

K「なるほど」

加「特化させるならですけどね。そういうのがなくてもいいんじゃないかなと思ってます」

K「では私たちがお店を選ぶときにポイントになる点というのはありますか?」

加「うーん、ポイントかあ。そのお店に行かないことには判断が難しいですけど、これは、"スタッフ同士の仲がいいお店"ですかね。チームワークが良いお店は本当にいいお店だと思う。あとはお店の雰囲気とか、ホームページにのっているスタイルが自分の感性と合うかどうか、とか」

K「確かに。やっぱり行かないことにはわからない、と。でも初めて行くお店って少なからず不安はありますよね。失敗したくないというか、どういうオーダーをすればいいんでしょうか」

加「やっぱりなりたいスタイルの写真を見せることが一番ですね。雑誌の切り抜きだったりインスタの写真だったり。できれば一枚じゃなくて、気に入った雰囲気のスタイルを何枚か」

K「あれ、一枚じゃダメなんですか?」

加「一枚だけ見せるよりも、何枚かあるとなりたいスタイルの方向性が確実になります。お互いに初対面の状態だと、その方が好みが伝わりやすいと思いますね。それをもとにして、その人に似合うイメージを一緒に擦り合わせていく感じで」

K「なるほどー。やっぱり初対面だとお互いにわからないですもんね」

加「そうなんです。全く同じ髪型っていうのは存在しないですし、その人のファッションやメイク、髪質や骨格なんかもそうですけど、髪にかけられる時間だったりその人のライフスタイルだったり、色んな条件があってその髪型なんです」

K「うわー、深い。髪型ひとつですごく色んなことを考えられてるんですね。私には無理そうです(笑)」

加「(笑)、だから、正直なところ一度や二度ではわからないことも多いんですよ。前回のこういう部分が思い通りじゃなかったとか、もう少しこうして欲しかったとか、教えていただけたら担当者としては嬉しいです。お客様の願いを叶えたいのはどの美容師さんも同じだと思うので」

K「でも正直、美容師さんの技術の上手い下手ってどうしても気になるところなんですが、実際どうなんですか?」

加「確かに経験の浅い状態での上手い下手はあります。けど一定以上の経験を積んでいると、できる技術自体の差って殆どないと思いますよ」

K「えー、本当ですか?(疑いの目)」

加「本当です。差が出るのは、その担当者の好みとかスタイルのクセだったり、センスとか、そういうところ。結局、お客様の"なりたい"をどこまで理解できるかを含めて、その技術者と合うかどうかっていうところだと思います」

K「そうなんですか。やっぱり人同士分かり合えてないとダメなんですね」

加「はい。だから僕たちは会話の中でお客様のことを知ろうとするんです。指名して同じ人に切ってもらうってことも大事だと思いますよ」

K「すごく深い世界なんですね。正直知らないことだらけでびっくりしました。加藤さんの話を聞いてると、なんだか『美容』っていう仕事を本当に楽しんでるんだなって思えます」

加「楽しいです。まだまだお客様から学ばせていただいてます!」

K「ほんの10年前と比べても、富山にはお洒落な人が増えたように感じるんですよね。ファッションとかヘアスタイルが多様化しているというか」

加「確かにそれはありますね。スタイルの幅が広がってきてます。富山の女性は美意識高いと思いますし」

K「美容師さんの中でも変わっていってることってありますか?」

加「色々変わってきてますよ。美容師の待遇面もそうだし、スタッフのハングリーさとか、昔とはまた違ったものを感じます」

K「オーナーという立場を考えると、また違った見方になりそうですね」

加「はい。サロンのオーナーになって初めて気づくことが多いです。今は本当に時代が違うんだなって。だから、スタッフには『俺の時代はこうだった』とか言わないようにしてる(笑)」

K「あー、今どき嫌われそうなやつですね(笑)」

加「でも時代が違うからこそ、スタッフと接していて見習うこともたくさんあります」

K「加藤さん、本当に勉強家ですよね」

加「いえいえ、僕だけじゃなく、美容師の方はみんな勉強家だと思います。人に教えてるようで、同時にたくさん教わっているんです」

K「では、現代の美容学生に何か言いたいことはありますか?」

加「急ですね(笑)うーん。学生さんには、とにかく頑張れ!としか言いようがないですね」

K「がむしゃらに突き進めということですか」

加「うーん、まあ就職したての頃は凄く辛いと思うけど、人に喜んでもらう楽しさを本当の意味で知ってほしいですね。もし美容師がダメだったとしても、ネイルやアイラッシュ、エステとかカラーリストとか、今は美容業という枠の中で選択肢が増えているから、視野を広く持って美容に携わり続けてほしいです。美容が好きだっていう気持ちを持ってるのに、もったいないと思います」

K「なるほど。まるでオーナーみたいなことを言いますね」

加「オーナーです(笑)」

K「(笑)、では最後におうかがいします」

加「はい」

K「加藤さんにとって、"美容師"とは?」

加「今までも、これからも、『自分を成長させてくれる仕事』です!」

K「これからも頑張ってください!本日はお時間いただきありがとうございました!」

加「こちらこそありがとうございました!」

優しく柔らかな人当たりの反面、美容に関する話では、強く深い情熱が瞳の奥に光る。何よりも、好きなことに全力で取り組むことの楽しさがひしひしと伝わる取材であった。ありふれていながら、普段あまり知ることのない世界に、我々はほんの少しだけ触れられたのかもしれない。

彼は今日も、美しくなりたいと願う人々の隣に、笑顔で立ち続けている。

(執筆: kitokito

◾️加藤優太-katou yuta

富山市出身、富山県理容美容専門学校卒業。スタイリストとして県内2店舗、10年余を経て独立。これまでの経験を活かし、型にはまらない柔軟なセンスで、男女問わず多くの顧客から支持を集める。好きな食べ物は「お寿司」。趣味は「釣り・子供と遊ぶこと」。

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